○電気の基礎
電気は、電流が流れることを調べることから始まります。電流が流れるとは、ある原子が持つ電子が動くと
言う物理的な話なのですが、誰もが知っている簡単な例で見てみましょう。
小学校の理科で電池と豆電球等を使い実験をしました。1.5V(ボルト)の電池数本で、豆電球は光ったと
思います。電池を直列に2本にしたり、並列に2本にしたとき電球の光の強さがどうなったかなども試したと
覚えています。このとき電流は電池のプラス(+)からマイナス(−)に流れるのだと教わりました。高校の物理
などでは、電子は電流と逆の流れであることを知ったかもしれません。どちらにしても、電流と言った場合
「プラスからマイナスに流れる」が正しいので、電子の動きの話と混同しないで下さい。
さて、流れると言う事から電流を水の流れに例えることがあります。電圧を考えた場合、電圧が高いとは
水が高いところにあるダムの様なところにあり、水門を開けることで水(電流)が低いところに流れることと
同じ様に考えるとわかり易いからです。
電気で重要なのは、電流がどの位流れるかです。つまり、ダムにどんなに沢山の水があっても、水門を閉じ
たままでは水は流れませんし、ダムの水面と川の水面の高さが同じだとやはり水は流れません。電気も同じで、
高い電圧であっても、流れる先が同じ電圧なら電流は流れないと言うことです。
人が感電するのは数十ボルトからで電池等では通常しびれは感じません、しかし、たとえ数ボルトでも舌の
様に水分が多く敏感な場所では感電します。こちらの実験例で扱う5V程度では感電には心配要りませんが、
今の電池は性能が良いので、ショートさせると想像以上の熱が出て火を出すこともあります。スマホのバッ
テリー(数V)で火が出るニュース映像が多くなりましたよね。その点は気を付けて下さい。
○電圧、電流、抵抗
電気を考える上で基本中の基本にオームの法則があります。まず、前項の豆電球を抵抗に変えて説明しまし
ょう。抵抗とは、電流を水に例えると水道管のようなものです。水道管が細いと水が流れにくいように、電線
が細く抵抗値が大きいと電流をながれにくくし、電線が太く(線が沢山の束だと更に抵抗値は小さい)と電流
を流れやすくします。
・記号と単位
ここで電圧、電流、抵抗を記載する上で、良く使う記号と単位を以下に記載します。
記号
単位
例(補助単位については後でまとめましょう)
電圧
V
V ボルト
1.5V、12V、100V
電流
I
A アンペア
1A、20mA
抵抗
R
Ω オーム
470Ω、5.1kΩ
電圧V 抵抗R 電流I
5V 1KΩ 5mA
・オームの法則
オームの法則は以下の式が基本です。
式1
また、これを元に次の2種類の式にも書替えられます。
式2 式3
○直流と交流
皆さんご存知と思いますが、電気を大きく分けると直流と交流にわかれます。
例としては電池や車のバッテリーなどが直流で、家で使っているコンセントなどは交流です。
@ 流(DC:Direct Current)
直流は、時間が変わっても電圧に変化がないものを言います。電池など長い時間では、段々電圧が下がり
ますが、それは単に電池が消耗しているだけなので考えないで下さい。
例えばバッテリー
電圧12V
電圧V
時間(s)
A 流(AC:Alternating Current)
交流は1秒間に何度もプラス(+)とマイナス(−)を繰り返す電気を言います。一般的な家庭のコンセ
ントの電気は正弦波交流と言います。正弦波は、三角関数の正弦(サイン、sin)の形をしています。
例えば家庭用100V
B の他
その他にパルス波などあります。パルス波はある短い時間の間に0Vと指定した電圧を繰り返す電気です。
詳しくは実験で使うときに説明しますが、実験などではサイン波、パルス波など使うときがあります。
更に自然界の電気には雷や静電気などありますが、これらの電気を考えてみるのも良いでしょう。